忍者ブログ
講談社やら集英社やらのライトノベル作家みみとミミの物書きブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

豪腕をもって、叩き切る。
それが俺のスタイルであり、誇りである。

――未公開の主人公


小銭を持って、払い切る。
それが私のスタイルであるが、誇りとはちょっと違う。

――ミミ


豪腕をもって叩き切る。
すでに筋力パラメータは初期値の五倍近い値に達している。
それはすなわち俺が常人の五倍近い腕力を得ているということで、俺自身の身長をはるかに超えるこの巨大な両手剣を縦横に扱うことが出来るということだ。
重量挙げの世界チャンピオンですら持ち上げることさえ不可能なそれを――力強く振り下ろす。
そのばかでかい質量は、重力と筋力によっておそろしいまでの加速度を授けられ、運動量をエネルギーを蓄え――まるで爆弾のように『炸裂』する。
「グォオオオオオ」
轟音、そして、叫び。
見上げるほどの背丈のゴーレムは、防ごうと構えた片腕ごと一瞬にして沈み、剣閃はその武器がかろうじて鈍器ではなく刃を持っていることを示した。
――上段から、一撃。
そのたった一度で、勝負は決した。
ゴーレムは断末魔を残して左右へと分かたれ、やがてさらさらと細かいデータの粒へと変わり、どこからか吹く風に消し去られる。

豪腕をもって、叩き切る。

それが俺のスタイルであり、誇りである。

「……」
砂塵のように流れたゴーレムのかけらを見るとなく見て、俺は――


「くぅうううううううううっ♪」
剣を右手に任せ、左手で強くガッツポーズ。
「俺かっこィイイイイイイイイイイイイイイ」
たまらん。
ああ、たまらん。
この一瞬の静寂。硬く、重く、力強いと恐れられる第十七階層の強敵を、一発で倒しうる俺が!
最強、無敵、絶対! もう、サイコー!
思わずのた打ち回りたくなるようなすばらしい俺に自惚れること十五秒。
「さぁて、ドロップアイテムはなーにかなっと♪」
俺はゴーレムの落としたアイテムボックスに手を伸ばし――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、目が覚めた。

夢と同じ体勢――右手をアイテムボックスに伸ばした状態――のまま、俺は起きた。
「……細っ」
あの瞬間見たような豪腕無双の超攻撃を可能にするような筋力はまるでない、か細く白い腕。
データの世界において、見た目の筋肉にはまるで意味がないとはいえ、これはあんまりだと思う。
それに、事実この腕は腕力というものがまるでない。
「ふぁあああ……ねむぅ……」
伸びをして、改めてこのベッドは大きすぎると感じた。
しかし、せっかく慣れたベッドだったのに、そうそう買い換えるのは――先立つものも含め――惜しいというもの。
「ついこの間までちょうどよかったんだけどなぁ……」
ぽりぽりと頭をかきつつ体を起こす。
立ち上がればなおのことわかりやすくなる、その身長差をかみ締めながら――
「よっしゃ! 行くぞぉ!」
すっかり高くなってしまった自分のかわいらしい声を耳に、俺は七十八日目を開始した。


例によって、過去未公開作の冒頭暴露シリーズ。
最終更新は、去年の十月二十八日が日付。ちょうど一年前でした――って公開つもりが、メンテナンスで半日以上ずれ込み。無念。

巨大体感MMO世界に閉じ込められた主人公たち数千人の少年少女。
脱出方法は、誰かが世界を攻略すること。
救援を待つものと攻略に励むもので分かれる中、主人公はとある少女と入れ替わりを起こしてしまう。
パワー命の豪腕派とスピード命の技巧派のふたりはいがみ合いながらもやがて――

というお話でした。


再利用再利用。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
あ、この話むちゃくちゃ好み

本格的に書いたのが見てみてえええええ
NONAME 2008/10/29(Wed)23:42:51 編集
無題
リサイクルはとてもすばらしいことです。

しようリサイクル。

しろリサイクル。
NONAME 2008/10/31(Fri)02:07:33 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10月 2019年11月 12月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新トラックバック
プロフィール
HN:
みみとミミ
性別:
非公開
職業:
ライトノベル作家
バーコード
ブログ内検索
カウンター
忍者ブログ [PR]