[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
待てぇ! どこ見て納得したぁ!?
――貧しき者
>
富めるときも貧しきときもあなたはこのキャラに愛を誓いますか?
――ミミ
>
最終更新ー。
続き物だからココから読むとわけが分からないぞ! 引け! 引くのだ!
>
ぜえぜえはあはあ、とやかましい自分自身とは裏腹に、お天道様は何事もなかったかのように静かだった。
屋上は、授業中ということもあってか誰もおらず、いつも以上にがらんとしていた。
「こ、ここまで来れば、大丈夫……かな……?」
これでもかというくらい心臓と肺が大騒ぎしている。
人間ひとり引っ張りながらグラウンドを突っ切ってそのまま全速力で階段を駆け上がるのは、帰宅部員向きの運動とはいえなかった。足やら手やらはたまた背筋やらおしり付近の名前も知らない筋肉やらがぴしぴし痛んでいる。精神的な疲れに続いて肉体的な疲れまでやってきたからにはもうこのまま眠りたい。限界です。終了です。さようならです。
……その前に、ドアを閉めて、ユウに状況を話して、白くて長いその……アレをどうにかしないといけないんだけどさ。
「いったい何がどうしたんですか?」
ユウはこの大脱出のあともそれほど息を切らさず汗もかかず元気であった。代わりとばかりに疑問符を顔から声からしぐさからどっさりと振り撒いていたが。
「ごめん、もうちょっと待って。先に、鍵をかけて――」
「待ってくださいっ!」
ユウが握っている手を引っ張――
あっ
「わ、悪い」
何もいわずに手を握っていたことにいまさら気が付いて、あわてて手を離した。
「ちゃんと説明してください」
ユウは片手を腰に当てて問うた。
眉も吊り上げ胸も張り、その他全身ぴんとさせている。
なんというかまあ、とてもわかりやすい『怒っていますよ!』ポーズだ。
しかし、悲しいかな威厳とか恐怖感とかそういったものが欠片も感じられない。むしろ、ハムスターの威嚇のごとく愛くるしさがほわほわにじみ出ていた。
「やっぱり……怒ってる……?」
「当然です!」
「勝手に手を握ったことは謝りますがそれはその海より高く山より深いわけがありましてなんといいますか緊急避難的な世界へのアンチテーゼが創世記時代の神話に基づいてそうありながらもしつこくなくかといってあっさりしすぎることもないドクダミ茶のような味わいを――」
「どんな理由があってもダメです! 病気なひとは走っちゃいけませんっ!」
……あれ?
「体の調子が悪いときはあまり動かず、ゆっくりと保健室で休まないといけないんですよ! それなのに、そんなに息を切らせて……ダメダメですっ!」
「あのその――」
病気が嘘だったことに気付いていない? というか、
「――手を……握ってたことは?」
「はい?」
ユウはちょこん、と可愛らしく首をかしげた。
「ああいや、気にしてないならいいんだ。うん」
意外だ。
普段の男子を振りまくる姿からてっきり潔癖症の気があるのかと思ったけれど、そんなことはないのか。これならちゃんと手順さえ踏めば――いやいや、一般論だからね!? 「みんなちゃんと手順さえ踏めば」ってことだからね!
「……どうかしましたか?」
「ふぉっちゃ!?」
謎の掛け声とポーズを決めてしまった。
「熱が上がってきたんですか? すぐに担架を貸してもらってきますっ!」
「わああ、待って待って待ってぇえええ!」
「すぐ戻ってきますから安心してください!」
「そうじゃなくて! 僕は病気じゃないんだよ!」
ぱちくり
瞬いて三秒ほど停止。
「気分が悪いんじゃあないんですか?」
「……」
ちょいちょい、と耳を貸すようにジェスチャー。
聞かれる心配はないんだけれど、それはその、気恥ずかしさというもの。
「さらし……?」
くき、とユウの首が下を向き、
「ひゃあああっ!?」
「じゃ、じゃあ、僕は踊り場にいるから!」
「あ、朝霧さんっ!」
逃げ出そうとしたところで声をかけられた。
「えっと……東雲さん、まだ何か?
「あ、あの……すみませんでした。あ、あと……ありがとうございました……」
泣き笑いのような、けれどもほっとした様子でユウは礼を口にして、ぺこりと頭を下げた。
それだけのことに――どきっとした。
走ったゆえの動悸とは、たぶん、違う。
じゃあ、いったい何が原因で?
「あはは、いいって――」
それを僕自身にもごまかそうと、ことさら声を大きくして笑った。
「――女の子を助けるのは男の義務だよ」
「ボクは男だぁあああ!」
ばちこーん
「はぶっ!?」
――二度あることは三度ある。
そんな慣用句が脳裏をよぎった。
>
「どーゆーことですかい?」
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!」
「いや、別に東雲さん――ユウさんを責めているわけじゃないから……」
「……おにぃ、何やったの?」
放課後、屋上での会話はえらく混沌とした始まりとなった。
「端的にいえば、ひっぱたかれました」
「それは見ればわかるけど……」
「あ、あの、女の子扱いされて、それで、その、つい……」
「あー」
得心いったと、アイは手を打つ。
「で、どういうことなの?」
「んとね、おにぃは病気なの」
「病気?」
なにやら物騒な単語が出てきた。
「そう、ホルモン生成以上を引き起こして、女の子っぽい体付きになっちゃう病気」
「ということは、ユウさんは男で間違いない、と」
「うん」
なるほどなるほど――って
「う、移ったりしないよね?」
「あはは、大丈夫大丈夫。そんな病気だったら私が一緒にいればわかるよ」
すとーん
「……なるほど」
「待てぇ! どこ見て納得したぁ!?」
視線を感じ取ったアイがぷんすかと怒る。
「い、いや別にどこも!」
「ううぅ~」
「あ、朝霧さんには悪気はないと思うよ?」
意外なところから助け舟が出された。
「……おにぃ?」
「え、えっと、ね。朝霧さんはボクのことを助けてくれたの」
「そうなの?」
くりっとした目でこちらを見るアイ。
「大したことはしていないけれどね」
と、前置きをして、体育の授業での出来事をかいつまんで説明した。
「ふぅん……そっかぁ……。それなら……」
腕組みをするとアイはぶつぶつと何かつぶやいて考え始め、
「よしっ! 朝霧さん、今日ヒマ?」
十秒くらいで結論を出したらしい。
「んー、特に予定はないけど」
「じゃあ決定、ウチに来てよ!」
アイはにっこりと微笑んだ。
>
ここまでです。
展開はすでに決まっていて、このあと策士アイにはめられた朝霧さんは、きょぬーに目がくらんで彼女らと行動を共にすることを確定させられる、というのが第一章の残りのお話。
以降は、のんべんだらりと東雲二人衆を見続ける予定でした。
没った理由ー。
有志数名にご意見をいただいたところ、
「ぶっちゃけ、意外性が足りない」
「キャラが弱い」
という暖かいご感想を多数お寄せいただいたので、ありがたく没にしました。
……いや、冗談ですよ? 本気で感謝してますからねー!
精進あるのみです。ニンニン。
以下、まな板偏愛主義者に対するレスー。
>まな板はいくら成長しても
>「膨らむ」という方向には行かないよね、それ不便になるだけだし
>つまりまな板というのは相手に絶望しか与えない悪魔の言葉 (11/13コメント)
> ぺ っ た ん こ 。
>>
>ああん、遠慮して書かなかったのに~w
>激しく同意w (11/13コメント)
>ぺったんこ派が確認できて嬉しい限りだが……
>
>ミミィ、君がそんなに愚かしい男だとは思わなかった。
>ぺったんこは成長してはダメなのだよ。
>それ自体が、それとしての完成形なのだ。
>貧乳は至高の逸材として完成された一つの芸術作品であるとも言えよう。
>
>また、巨乳も完成されたものであるが、
>生物学的に考えると、
>それは機能美よりも性的な鑑賞美を優先したものであるのだ。
>
>この二つを比較することは、フィギュアスケートとスピードスケートを、
>競泳とシンクロナイズトスイミングを比較するのと同じであり、
>愚の骨頂に他ならぬわけだ。 (11/13コメント)
>みんなそろって語っているのは
>まな板についてのみかw
>少しは小説にも触れろw
>まぁ俺も読んでくぁwせdrftgyふじこlp (11/13コメント)
うん、
落ち着け。
えーと、いまさらですが、一応。
作中の登場人物および団体は、実際のものとはなんら関係がありません。
なお、人物名に関して一部のキャラクターは実在するひとのH.N.をお借りさせていただいているものもございますが、これにつきましては個別に許可を取っています。
ご注意ください。
というわけで、
ミミと登場人物の嗜好も一致はしませんのでそこのところお間違えなく。
同様に、登場人物の主義主張とも一致していません。
てか、一致してたら大佐的な世界征服主義がありつつ祈坂的な斬殺趣味もある上にきしゃーな危険人物になってしまいますがな。
ひとの趣味はそれぞれ自由であるべきで、それらについて意見を交わすことはあっても押し付けてはならないと思っています。
書き手としてのクセに現れているかもしれませんけれど、比較的そういう『受け入れる』タイプの登場人物が多いようにも思います。
ですが、それももちろん『受け入れるタイプの人間が正しい』という主張ではありません。
ただ、いさかいはない方が好ましいとだけ知っておいてもらえるとありがたいです……
分かったか、このまな板好きども!(台無し
ご意見ご感想お待ちしております。
ではでは。
追記。
最近、コメントが増えてきてうれしいです。やっふー!
良いか
人はおっぱいのみに生きるに非ず
おっぱいのみを追い続ける人類の行き着く先は
破滅
つまりおっぱい以外、腰や髪型、服装も大切ですよっと。
そう思うだろ? 思わないのか?