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講談社やら集英社やらのライトノベル作家みみとミミの物書きブログ
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菜の花が出てきた。
なるほど、間違ってはいない。
しかし、これをどうしたものか。
横を見れば、10代後半だろうか可愛い店員さんがニコニコと俺の反応を待っている。
周りに助けを求めようにも俺の他に客はいない。
物理的に傾いた店だった。
傾斜角10度。木造1階建て。『小料理』ののれんがかかっていなければ廃屋と間違えるような、そんな店。
そのあまりのボロさ具合に心引かれ立ち寄ったのだが――想像を超えていた。
道理で流行らないわけだ。
『菜の花の辛子和え』を頼んだら、洗っただけの菜の花とチューブの練り辛子が出てくる小料理屋。
流行るわけがない。
「どうでしょうか? わたし、ご注文どおりの品を出せたの久しぶりなんです♪」
すみません、店員さん。これは注文どおりですが注文どおりではありません。
「どうぞ、気の済むまで菜の花をご照覧ください」
ああ、もう食べ物ですらないんですね。
しかし、眺めたところで腹は膨れない。この笑顔をぶち壊すことになるだろうけれども、覚悟を決める。
「店員さん……すみません、いいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
うう、気持ちのいい笑顔が心に痛い。
「ここは、小料理屋ですよね?」
「はいっ! 久しぶりにお客様にお食事を提供できました♪」
うぁあああ、心が痛い! 激痛!
「な、なら、食べ物を扱っていることで……言いたいことはわかりますよね?」
「あ、ごめんなさい! すぐ――取り皿を用意しますね! 辛子用の!」
え。

 

わかったこと。
小料理屋で菜の花の辛子和えを注文すると、たまに人間は入院する。

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